三大名スピーチ

昨日見た、東京造形大学の入学式での学長のスピーチがとてもすばらしかったです。

私にとって、心に響くポイントは2つありました。

1つは「経験という牢屋」に囚われず、「普通はそんなことはしない」ことを疑い、自由への探求を始めようということ。

2つ目は、社会に関わるということは、広大な世界に想像力をめぐらせながら、小さなことも周りに作用しているということを知り、働きかけていくこと。

私はもはや新入生でも新入社員でもなくて、結構いい年で、社会に出て色んな荒波にも揉まれてきたけど、やっぱりこういう気持ちで社会と関わることを忘れたくない、と思わせてくれる名スピーチでした。とても励まされました。

あと、このスピーチは、日本人ってあまりいいスピーチをする人がいない、と思っていた私の思い込みも覆してくれました。こんな風に世界と関わることを勧めてくれる人が、日本の教育者にいることも、なんだか勝手にうれしくなりました。


ちなみに、私の中の三大名スピーチは今回紹介したものと、スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学の卒業式のスピーチと、村上春樹のエルサレム賞受賞のスピーチです。

ジョブズのスピーチは前にブログでも紹介したことがあるし、YouTubeでも見ることができます。よく考えたら、前にブログで紹介した時はジョブズもまだ存命だったけど、今はもうこの世にいないんだなと思うと悲しいけど、改めてすばらしいメッセージを残してくれてありがとう、と手を合わせたくなります。

村上春樹のエルサレム賞のスピーチは、この世に出ていく若者に向けたものではないのだけど、大人でも若者でも、一個人という弱い立場の人間に、勇気をくれるものだと思いました。小説を読んだことがある人なら分かると思うけど、隠喩に「壁」を使うところもまた、村上春樹らしくていいなと。(まったく関係ないけど、もうすぐ発売される新刊も楽しみ)

名スピーチを聞いていると、私ももっと好きなようにがんばろう、という気になります。誰にとっても春はそんな季節なのかもしれないですね。

Yuko MatonoLife